運用チームリーダだったときにやったこと(補記)

まず 『問題』から『課題』が発生し『タスク』が発生するという前提の上で、『タスク』に落とし込むところまでをリーダー業務として定義しておく。
もちろんスケジュール管理も『リーダー業務』に含めるものとする。

また、課題から発生するタスクのほかに「定常タスク」や「緊急対応」もあるがそれは随時なので、ここでは記載の対象としない。

【a.課題の優先順位付けと関連付け】
すべての課題を並行して実施する場合、『負荷の合計』が1+1になるわけではなく、(1+1)*1.2のように上がってしまうことを避けるため。

焦げ付いてる課題を確認し、それぞれを以下の観点で確認する。

① 明確な期限があるか
② サービス影響があるか
③ 発生頻度は高いか

これら①~③のいずれもがYESならばそれは『優先度 高』に分類する。
いずれかがYESの場合は、一旦優先度は中とする。

次に課題の関連付けが必要となる。
これは、その課題自体は『優先度 中』に分類した課題でも、『優先度 高』に分類した課題と関連づいているものの場合には、その課題も『優先度 高』に昇格する。

この時点で、高と中の分類が完了するので、あとは実行順序の整理をする。
これは関連づいてる課題の場合には、その課題の前後関係で決めればいいし、そうでないのであれば純粋に期限が近いものから実施で問題がない。

そのプライオリティが高い課題で順序性を見極めて、課題にメンバーをアサインしていく。

また『優先度 低』の課題はどう振り分けるか。
課題とリストアップされてはいるが、『明確な期限もなく、サービス影響もなく、発生頻度が低い』もの、つまり①~③すべてがNoのものが優先度低となる。

【b.プライオリティ高の課題から着手してもらう】
これは、トピックの通りであり【a.課題の優先順位付けと関連付け】の結果をもとに、アサインしていく。
この時に大切なのは、それ以外の課題系課題からメンバーのアサインを外しておくこと。

課題に対してバイネームでアサインしている場合には、優先度に関わらずメンバーはその課題を進めようとしてしまうのを防ぐ目的がある。
アサインを空白にしておくことによりメンバーの意識をプライオリティの高い課題に集中してもらうためである。

【c.メンバーの2マンセル化】
これは以外と忘れられがちなのだけれど、必要なことである。
その担当が不在時に状況がわからないという状況を避けるためである。
また、本番作業においても2マンセルの状況が発生するため基本的なペアリングを事前に定めておくことで、アサインの効率化を図る目的がある。

2マンセル体制で、それぞれのメンバーに主となる課題を振り『主/副』・『副/主』とするか、二人で一つの課題を振るのかは、課題の性質とメンバーの力量で決めればよい。

【d.優先度低/重要度低の課題の強制クローズ】
『優先度 低』という課題は、一定期間管理表に記載しておき、定期的に見直しを行い『備忘』として残すか『クローズ』してしまう。
やらなくていい課題は、それはもはや課題ではないからだ。

【e.各種作業のマニュアル化と自動化】
定常タスクの俗人化は忌避すべきものであるため、マニュアル化を実施する。
このマニュアル化を行う際に気にすべきことは、判断ポイントに判断基準が明確に記載されているかなど、ある一定のスキルを持つ技術者が実施した際に同じ結果となるように明記すること。

抽象的な表現は避け、求める結果を具体的に記載することが必要である。

そして、スクリプトやVBAで自動化可能な部分は、その有効性を考慮し行う。
この有効性をどう判断するかは案件の性質によっても変動する点ではあるが、『自動化に必要工数』と『繰り返し頻度』、『短縮できる工数』を一つの基準とするのが良いだろう。

またツール化のもう一つの有用性は単純なオペミスを削減できることも挙げられるので、こちらも同様に考慮にいれて可否を考慮すればより良い。
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モチベーションについて

モチベーション。

まぁ「やる気」と言い換えてもいいと思うのだけれど、その根源を他者や外的要因に求めてしまうと、維持するのは簡単ではないと思う。

何よりも外的要因によって簡単に落ちるということなので、そんなのは長続きしない。

モチベーションの維持というのは個人の問題なので、モチベーションが上がらないというのはその人自身の問題なのである。

周囲(特に管理職以上)の様々な発言でモチベーションが下がることは多々あったとしても、上がることなどまずない。

つまり、モチベーションを維持し上げるためには、そのひと自身が頑張らなければいけない課題なのである。

新しい技術に触れられないとモチベーションが上がらない?

そんなものは自分で私的な時間を用いて触れればいい。

もしくは、その技術を「仕事」として使いたいならば、それを納得させられるだけのファクトを提示してあげれば良い。

それができないのであれば、所詮は「独りよがり」にすぎず誰からも相手にされなくなっていくだけだ。

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ではモチベーションを向上させるためにはどうしたら良いか?

実は割と簡単なことだと思ってる。

【技術を目的にするな】

ただこれだけだ。

技術は手段にすぎず、目的を「技術」においているのが間違いなのだ。

システムは、特定の目的を達成するために作られるのであり、どの技術を使うのかは総じて【手段】なのだ。

特定の技術にとらわれることなく、目的をそのシステムの安定稼働と考えることで、古い使い古された技術を用いていたとしてもモチベーションが下がるなんてことにはならない。

いわゆるレガシーな技術を使い倒したとしても、システムの安定稼働させるには考えなければいけないことは多い。

そしてそれを成し遂げられる技能を持つ技術者は実際のところ少ない。

それすらできないで、モダンだレガシーだなどと宣うのはやはり違うと思うのだ。

技術者は、新しい技術に目が行きがちではあるのだけれど、別に”新しい”=”正解”ではない。

レガシーすぎる技術はどうかとも思うが、それでもそれが最適解となることはあり得る。

そんなこともわからないで、「レガシーはクソ」とだけ言ってる奴らは、程度が知れるというものだ。

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もちろん、新しい技術を知らないとシステム全体の最適解がずれてしまうこともあるだろうから、最新の技術やトレンドのキャッチアップはもちろん大切だ。

それは業務時間外に楽しめばいい。

自分の手札を増やすという名目で楽しめばいいのだ。

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そうやっていくことによって、仕事で認められることも増えて行くだろう。

それこそがモチベーション維持・向上において、必要な要素ではあるのだけれど、これは結果としてついてくる部分なので、そうなるかは自分の行動の結果なのである。

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管理職側は、可能な限りモチベーションを下げない努力はするべきではある。

「いいからやれ!」ではもちろん不平不満も溜まるだろう。

可能な限り、理解できるように説明する必要はある。

選定理由とか、アサインの理由とかね。

特にアサインの理由は、モチベーションに影響しがちなのでちゃんと説明すべきではある。

これを怠ると、結構モチベーションに響くという事実を以外とみんな忘れがち。

というのも、その担当にその人を選んだ理由を説明しないと、適当に選んだと思われることもあるし、つまらない仕事を押し付けたと思われることもあるからだ。

実際に、技術的に物足りないだろうアサインをする場合においても、説明をしっかりすることで、「信頼してる」からのアサインだと伝わればモチベーション低下の要因になることはない。

この辺をおざなりにしてしまうことで、信頼してアサインしたはずが逆に、【信頼の低下】や【モチベーションの低下】を招くことがある。

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以上は、僕の私見であり異論はあることと思うけれどね。

インフラエンジニアというもの

昨今なんだかTwitterを眺めていると、【未経験からITエンジニアを目指すなら、インフラエンジニア簡単】とか【xxxxの資格さえ取ればインフラエンジニアとして未経験から年収xxx万円】みたいなのをよくみるようになったよね。

まぁ、同様の謳い文句で、開発エンジニアとかWEB系とか色々経てきた中で、何番煎じなんだ?って気分はあるのだけれど。

では、果たしてインフラエンジニアとはなんなのかを正しく理解できているのだろうか?

ITインフラにカテゴライズされるものをざっと上げて行ってみよう。

・サーバエンジニア(Windows)
・サーバエンジニア(Linux系)
・サーバエンジニア(UNIX系)
・ミドルウェアエンジニア-WEBサーバ系
・ミドルウェアエンジニア-APサーバ系
・ミドルウェアエンジニア-DBサーバ系
・ミドルウェアエンジニア-バッチサーバ系
・ミドルウェアエンジニア-監視サーバ系
・ミドルウェアエンジニア-バックアップサーバ系
・ミドルウェアエンジニア-セキュリティ系
・ネットワークエンジニア-LAN系
・ネットワークエンジニア-WAN系
・ネットワークエンジニア-WLAN系
・ストレージエンジニア
・DNSエンジニア
・セキュリティエンジニア
・仮想基盤エンジニア
・クラウドエンジニア

…他にも色々あるんだけれど、これらのどれかひとつを強みとして持っていたとして、それはあくまでもインフラカテゴリのエンジニアでしかなく、インフラエンジニアと呼んでいいものなのかは怪しい。

もちろん、全てをスペシャリストレベルに詳しい必要はないのだけれど、少なくともそれぞれの担当エンジニアとの会話についていけるレベルである必要がある。
そして、インフラエンジニアとして上位クラスに行けば行くほど、アプリ担当との会話の機会も増えるため、彼らとも対等に対話ができるレベルである必要がある。

もちろん、わからないことを質問をして埋めていけばいいので、全てを理解している必要はないわけではあるけれど。

…で最初の話に戻るんだけれど、簡単か、これ?
昨今の情勢的に、クラウドは確かに高単価を狙いやすいものではあるので、特定のクラウドを理解しているだけでも、フリーランスの場合で月83万くらいの単価で仕事を受けることができることもあるとは思んだけれど、果たして、その単価を特定のクラウドサービスに依存していていつまで維持できるのだろうか?

AWSとAzureのシェアはこのままのペースでいけば、二年以内に同等かひっくり返る可能性がある。
また、昨今のレートを鑑みると米企業のサービスを利用することの価格高騰が目立つため、オンプレ回帰も起こり得る。
もちろん、これと同様のことを現状オンプレに寄っている人にも言える。
確実にクラウドはなくてはならないものにこのままなっていくだろうから、いつまでもオンプレだけにしがみついていては、仕事の幅が狭くなる。

だからまぁ、何をやっておけば正解なんてものはないのよ、残念ながら。
強いて言うなら、TCP/IPの基礎ぐらいは、インフラエンジニアを名乗るんなら押さえておきなさいよ?っていうくらいかな。
これだけは、多分そうそう変わらない。

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うん、間違いなく「TCP/IP」はインフラエンジニアを名乗るなら必修。
これに異論ある人はまず間違いなくいないと思うんで言い切る。


「TCP/IP」以外は選択教科になってしまうんだけれど、得意なOSを一つ持った方がいい。
これはスクリプティングも含めてなので、CUI操作に戸惑わないくらいのスキルを求めたい。
※もちろん、オプションとかは調べるでもいいと思う。


あとは、自分が得意な非機能の分野を一つ作っておけってくらいかなぁ。
あんまり理解されないんだけどさ?

ほら、各社の代表さんとか営業さんって開発エンジニアの経験がある場合は多いんだけれど、インフラエンジニアの経験ある人ってそんなにいないのよ、少なくとも表立ってSNSで活動してる人たちは。

【非機能とは何か?】って思われてるかもしれないんだけれど、そのプロジェクトの作ろうとしているシステムの主機能を支える様々なものと言える。

↑であげた中で言えば、監視、バックアップ、セキュリティ。
他にはログ管理、運用ジョブ設計、可用性設計とか。

個人的には、非機能設計こそインフラエンジニアの見せ場だと思ってる。

これができないインフラエンジニアは、インフラの本質がわかってないってことだからね。
インフラってのは、安定して稼働してそれで当たり前。

だからこそ、非機能は大事なんだ。

ここまでやっても、多分平均値として、単価75万くらいくらいなんじゃないかな。フリーランスとかSES企業の相場感として。
もちろん、いろんな要素で上下される部分はあると思うんだけれどね。

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じゃぁ、安定して「1000万/年以上の売り上げを立てられるか」を考えてみよう。
(※単純によくいうフリーランスで1000万/年の売り上げってのが話題にあるから基準にしてみてるw)

さっきあげた必修はもちろんとしてだ。
いくつかパターンはあるのだとは思うんだけれど、冒頭であげたエンジニアたち全てと浅い話だけではなく対話ができるレベルになることは必須かもしれないね。

① 得意なものに特化していくスペシャリストコース!
これはフリーランスの方におすすめ!
というかそれ以外はフリーランスだと、ハードル高め。

② マネジメント方面への進出
これは、所属企業次第。
体制化に前向きな企業にお勤めならおすすめ。
とはいえ、技術以外のも学びの幅を広げないとすぐに落ちてくぜ。

とはいえ、ジェネラリストタイプには一番これが向いてるって思ってる。
マネジメントって言ってもサブであってもそれができるならそれは才能だしね。

③ 後進育成コース
これも、所属企業次第。
あんまり好きなことではないけれど、バーターで若手と(以下略)

って書き方すると悪く聞こえるかもしれないけれど、育成ができる人材は貴重で、教わる側も利益を受けるので結果的にはWin-Winなはず。

④ 自身で案件勝ち取ってくる
これは自分が営業しかけてとってきちゃうパターン。

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ここまで、酒飲みながら書いたんだけどさ…
やっぱりインフラエンジニア…楽に見えないんだけど…w

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ちょっと色々書いたけれど、これはあくまでも自論であって見てきたものが変われば正解は変わると思うのです。
だから、反論というか意見は聞きたいので、ぜひ代表さん、営業さん、インフラ系エンジニアのみなさんリアクションください。
自分の考えをアップデートできる要素はありがたく受け入れますので。
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